コンサル提案で失注しない理由

ありがたいことに、私が直接提案する新規案件は、かなり高い確率で契約につながっています。
独立後だけではなく、コンサル会社時代も同じでした。新規相談が入った際の提案では高い割合で契約になっていましたし、入社して半年も経たないうちに、クロージング数は社内トップになりました。
もちろん、営業トークがうまいとか、押しが強いとか、そういう話ではありません。むしろ逆です。私は提案の場で「売り込み」をほとんどしません。
では、なぜ契約率が高いのか。
それは、提案の時点で「施策の重要性」と「やらなければならない理由」を徹底的に伝えたうえで、最終的な選択をお客様にしていただいているからです。
今回は、私がコンサル提案で失注しにくい理由を、かなり具体的にお話ししていきます。
目次
契約を取りにいくのではなく、まず「必要性」を理解してもらう
提案で失注しないために、私が一番大事にしているのは、商品を売り込むことではありません。
最初にやるのは、「なぜその施策が必要なのか」を理解していただくことです。
たとえばWebマーケティングの支援を提案する場合でも、いきなり「SEOをやりましょう」「ホームページを改善しましょう」「広告を回しましょう」という話には入りません。
先にお話しするのは、
・なぜ今の集客方法のままだと危険なのか
・なぜその会社にとってWeb施策が必要なのか
・現状どんな機会損失が起きているか
といった部分です。
要するに、「この施策が大事です」という話ではなく、「この会社にとって今これをやらないとまずい理由」を伝えるわけです。
ここが伝わると、お客様の中で施策の優先順位が一気に上がります。逆に、ここが腹落ちしていないまま提案だけしても、契約にはなりにくいです。
「この施策を絶対やるべきです」とは言わない
意外に思われるかもしれませんが、私は提案の場で「この施策を絶対にやるべきです」と押し切ることはほとんどありません。
なぜなら、経営には正解が一つではないからです。
会社の状況によって、今やるべきことは変わります。資金繰りが厳しい会社と、キャッシュに余裕がある会社では選ぶべき打ち手が違いますし、組織体制や社長の優先順位によっても答えは変わります。
だから私は、提案のときに「これをやってください」と一方的に押しつけるのではなく、複数の選択肢を提示します。
たとえば、
「Aの施策を実施する場合は、こういうメリットがあります。ただし、デメリットとしてはここにコストがかかります」
「Bの施策を実施する場合は、こちらの方が短期的な効果は出やすいです。ただ、長期的な資産にはなりにくいです」
このように、それぞれのメリット・デメリットを整理してお伝えし、最終的にはお客様自身に選んでいただくのです。
この形にすると、提案が押し売りになりません。
「売られた」ではなく、「自分で納得して選んだ」という感覚になるので、契約後の動きも前向きになります。
提案でやってはいけないのは「自社の売り込み」

提案の場で失注する人の多くは、自社の話をしすぎています。
「うちはこんな実績があります」
「うちはこういう支援ができます」
「他社よりもここが強いです」
もちろん、実績や強みを伝えること自体は大事です。
ただ、それをメインにしてしまうと、提案は一気に営業っぽくなります。
お客様が知りたいのは、「あなたの会社がすごいかどうか」ではなく、「自分の会社がどう良くなるのか」です。
だから私は、提案の場で自社の売り込みをほとんどしません。
話すべきことは、お客様の現状と、その先にある未来です。
今のままだとどうなるのか。
どこに課題があるのか。
何を変えるとどう良くなるのか。
そのためにどんな施策が候補になるのか。
ここに時間を使います。
結果として、「この人は売りたいんじゃなくて、本当にうちのことを考えてくれているな」と感じてもらいやすくなります。これが契約率に大きく影響していると思っています。
「絶対うまくいく」とは言わない。でも、やる理由は明確に伝える
提案のときに、私は絶対に言わないことがあります。
それは、「これをやればうまくいきます」という言葉です。
そんなこと、誰にもわかりません。
事業には外部環境もありますし、社内の実行力もありますし、競合の動きもあります。絶対に成功する施策なんてありません。
でも、その代わりに私はこう伝えます。
「この施策をやれば絶対にうまくいくとは言えません。ただ、うまくいっている企業の多くが、この施策をちゃんとやっています」
これはかなり大事です。
成功を保証するのではなく、成功確率を高める打ち手として説明する。
しかも、その根拠を実例や他社事例を交えて話す。
この伝え方をすると、押し売り感がなくなりつつ、施策の必要性はしっかり伝わります。
お客様も経営者ですから、100%の保証なんて求めていません。
むしろ、根拠のない断言の方が怪しいと思われます。
だからこそ、誠実にリスクも伝えながら、それでもやる価値がある理由を説明することが重要です。
「余裕を見せる」はかなり大事

提案時に意外と大事なのが、余裕です。
ここでいう余裕というのは、偉そうにするとか、上から目線になるという意味ではありません。
案件が欲しすぎて焦っている感じを出さない、ということです。
提案の場で失注する人の中には、案件が欲しい気持ちが前に出すぎてしまう人がいます。
「なんとか契約したい」
「この案件を逃したくない」
「今月の売上が足りない」
そういう気持ちは、案外相手に伝わります。
でも、経営者は敏感です。
焦っている営業っぽさが出ると、一気に冷めます。
逆に、ちゃんと現状を見て、必要な情報を誠実に共有し、「合わなければ無理にやらなくてもいいですよ」というスタンスで提案すると、信頼されやすいです。
これは不思議なもので、余裕がある人の方が契約は決まりやすいんですよね。
実際、私も「この案件が取れなくても別に大丈夫」というくらいの気持ちで提案している時の方が、契約率は高いです。
相手が誰でも、態度を変えない
これもかなり大事です。
提案先の担当者が優しそうだからと油断する。
社長が若いからと軽く見る。
逆に大企業だから緊張して話がブレる。
こういうことをすると、提案の精度が落ちます。
私は、相手が誰であってもやることは変えません。
中小企業の社長でも、上場企業の担当者でも、診断士の先輩でも、同じように誠実に情報を共有し、同じように提案します。
結局、契約になるかどうかは、相手の肩書きではなく、こちらがどれだけ本質的な提案ができるかです。
だからこそ、相手によって態度や提案内容の軸を変えないことが大事だと思っています。
Webマーケの提案は、とにかく「わかりやすく」話す
私が提案する案件の中には、Webマーケティングの支援もかなり多いです。
そして、この領域で提案するときに意識していることがあります。
それは、とにかく難しい言葉を使わないことです。
社長はWebマーケティングの専門家ではありません。
SEO、CVR、CPA、LTV、導線設計、ペルソナ設計など、こちらからすると当たり前の言葉でも、相手にとっては意味がわからないことが多いです。
ここで横文字や専門用語を連発すると、その瞬間に相手は疲れます。
話を聞く気がなくなります。
だから私は、できるだけ言い換えます。
そして、できるだけ例え話をします。
たとえばSEOなら、「検索したときに上に出てくるようにする対策です」と言いますし、ホームページ改善なら「営業マンを1人雇う代わりに、24時間働く営業マンをWeb上に作るイメージです」といった形で説明します。
提案は、詳しい人が勝つゲームではありません。
相手に理解してもらった人が勝つゲームです。
提案は「営業」ではなく「意思決定支援」
ここまで書いてきた内容をまとめると、私が提案で意識しているのは、営業というより「意思決定支援」です。
売り込むのではなく、現状を整理する。
施策の重要性を伝える。
やらない場合のリスクも伝える。
選択肢を提示し、メリット・デメリットを整理する。
そのうえで、お客様自身に選んでいただく。
この流れができると、提案は「売り込み」ではなくなります。
経営者にとっての意思決定の時間になるので、自然と前のめりになってくださることが多いです。
逆に、ここを飛ばして「うちならできます」「ぜひお願いします」だけで進めると、どうしても営業色が強くなり、失注しやすくなります。
まとめ
私がコンサル提案で失注しにくい理由は、特別な営業トークがあるからではありません。
施策の重要性を伝えること。
やらなければならない理由を伝えること。
押し売りをしないこと。
複数の選択肢を提示し、お客様に選んでいただくこと。
自社の売り込みではなく、お客様の未来にフォーカスすること。
そして、余裕を持って、誠実に提案すること。
これらを徹底しているからです。
もし今、提案で失注が多いと感じている方がいるなら、一度「何を売ろうとしているか」ではなく、「相手が意思決定しやすい状態を作れているか」を見直してみてください。
提案の本質は、営業ではなく支援の入口です。
ここを丁寧にできるかどうかで、契約率も、その後の支援の質も大きく変わってきます。
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