【士業の営業手法】ギブ・ギブ・ギブ & 返報性の原理

士業の先生は営業が苦手な方が多いと聞きます。活躍している先生業の方が大切にしていることを共有していきます。ぜひ最後まで見ていってください。
独立した士業の方から、「どうすれば仕事を紹介してもらえますか?」「営業が苦手なのですが案件はどうやって増やせばいいですか?」という相談を受けることがよくあります。
そのたびに私がお伝えしている考え方があります。それが「ギブ・ギブ・ギブ」という考え方です。
この考え方の背景には、心理学でも有名な「返報性の原理」があります。
営業が得意な人ほど、この原理を意識しているというよりも、自然に実践しています。今回は、税理士・社会保険労務士・行政書士・司法書士・弁護士・中小企業診断士など、士業全般に共通する営業の考え方についてお話しします。
目次
返報性の原理とは何か
返報性の原理とは、「人は何かをしてもらうと、お返しをしたくなる」という人間の心理のことです。
例えばスーパーで試食をすると、「何も買わずに帰るのは少し申し訳ないな」と感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。また、保険営業の方が手土産を持って挨拶に来たり、無料相談を積極的に実施したりするのも、この心理を上手に活用した営業手法の一つです。
ただし、重要なのは相手に価値のあるものを提供することです。見返りを求めて何かを与えるのではなく、「相手の役に立ちたい」という気持ちで価値提供を続けることが、長期的な信頼関係につながります。
士業の営業も「まずはギブ」が基本

この考え方は士業にもそのまま当てはまります。独立したばかりの方ほど、「どうやったら仕事を紹介してもらえるのか」「営業を頑張らないと案件が取れない」と考えがちですが、多くの場合は順番が逆です。
まず考えるべきなのは、「自分は相手に何を提供できるか」ということです。役立つ情報を発信したり、困っている人の相談に乗ったり、自分の専門分野で少しだけアドバイスをしたり、人と人をつないだりする。
こうした小さなギブを積み重ねていくことで、「何かあったらあの先生に相談しよう」「この案件なら紹介したい」と自然に思っていただけるようになります。営業とは仕事をお願いすることではなく、信頼を積み重ねる活動なのです。
トップ営業マンほど見返りを求めない
私の知り合いに、外資系保険会社でトップクラスの営業成績を出し続けている方がいます。
その方を見ていて感じるのは、とにかくギブの量が圧倒的だということです。「保険を紹介してください」とお願いする姿を見たことはほとんどありません。それよりも、役立つ情報を共有したり、困っている人を紹介したり、人と人をつないだりと、相手が喜ぶことを当たり前のように続けています。
その結果として、「保険ならあの人に相談しよう」「知り合いを紹介したい」と周囲の人が自然に動いています。これは返報性の原理だけではなく、「この人なら安心して紹介できる」という信頼が積み重なっているからこそ生まれる結果なのです。
紹介はお願いするものではなく信頼の結果

士業の仕事は紹介で広がることが非常に多い業界です。しかし、「紹介してください」とお願いして増えるものではありません。
紹介とは、日頃の行動によって得られる信頼の結果です。ブログやSNSで有益な情報を発信すること、無料セミナーを開催すること、経営者の相談に乗ること、専門外の相談であっても信頼できる人を紹介することなど、一つひとつは小さな行動でも、それらを継続することで「あの先生なら安心して紹介できる」という評価につながります。
紹介を増やしたいのであれば、まずは紹介される理由を自分自身が作ることが大切です。
私自身も紹介の多くは価値提供の積み重ね
私自身も現在、多くの支援先を紹介によってご縁をいただいています。しかし、積極的に紹介をお願いした記憶はほとんどありません。これまでブログを書き続け、SNSで情報発信を行い、無料で相談に乗り、人と人をつなぐことを続けてきました。
その積み重ねが「あの分野なら平井さん」という認識につながり、紹介をいただけるようになったのだと思います。もちろん専門性は大前提ですが、それだけでは十分ではありません。「この人なら安心して紹介できる」と思っていただける信頼があるからこそ、紹介は生まれるのです。
士業が長く活躍するために大切な考え方
独立すると、どうしても毎月の売上や契約件数ばかり気になってしまいます。
しかし、売上だけを追いかける人よりも、価値提供を追いかける人の方が、結果として長く活躍しています。価値提供を続ければ信頼が生まれ、その信頼が紹介を生み、紹介が新しい仕事につながるという好循環ができあがります。
士業は一度きりの取引ではなく、長期的な信頼関係の中で仕事をしていく職業です。だからこそ、営業テクニックよりも「相手にどれだけ価値を提供できるか」を常に考えることが重要だと私は思っています。
まとめ
士業として長く活躍するために最も大切なのは、「ギブ・ギブ・ギブ」の考え方です。役立つ情報を発信すること、困っている人を助けること、人と人をつなぐこと、専門知識を惜しみなく提供すること。
このような価値提供を積み重ねることで、返報性の原理が働き、信頼が生まれ、紹介につながっていきます。営業とは売り込むことではなく、信頼を積み重ねることです。ぜひ今日から「何をもらうか」ではなく、「何を与えられるか」という視点で行動してみてください。
ギブ・アンド・テイクではありません。
ギブ・アンド・ギブ・アンド・ギブ。
この姿勢こそが、長く選ばれ続ける士業への一番の近道だと私は考えています。
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